【新卒向け】就活サイトはなぜ登録無料なのか?その裏側を徹底解説!
1 就活生が就活サイトに無料で登録できるワケ
就活生が当たり前のように使っているマイナビやリクナビのような就活サイト。就活生はサービスを通じて数多くの企業の採用情報を知ることができます。もはやほとんどの就活を行う新卒にとってマイナビやリクナビは不可欠なのではないでしょうか。では、なぜ就活生はこのように就活に不可欠なサービスを無料で利用できているのでしょうか?
それは企業が利用料金、掲載料金を払っているからです。
「そんなの少し考えたらわかるよ!」と思った、そこのあなたに質問です。
では、なぜサービスの主たるユーザーである就活生からお金を徴収せずに、企業側からのみお金を徴収しているのでしょうか?
それは、「就職斡旋をする業者は求職者からお金を徴収してはならない」という法律が定められているからです。
2 大手就活サイトのビジネスモデル
就活サイトのビジネスモデルは、就活生と企業の仲介をすることで、企業から広告料・参加料をもらうという、 プラットフォームビジネスです。
上述した通り、法律で決まっているため、就活生からお金を取ることはありません。一方で、企業が就活サイトに企業情報を掲載するにはお金がかかります。 くわえて、合同説明会のような就活イベントにも企業は大金を支払っています。
企業は新卒1人を採用するのに平均的に93.6万円かかっているそうです。
※引用元:就職みらい研究所「就職白書2020」
労働人口減少によって、採用売り手市場が続いています。コロナ禍による景気後退にもかかわらず、企業は優秀な人材をとるために惜しまずコストをかけているのが現状です。このような現状の結果として、一人当たりの採用コストも上昇しているといえるでしょう。
3 採用に当たってかかるコスト
1人当たりの採用コストが93万円である、企業の採用コストの内訳をみていきましょう。
- リクナビ・マイナビ→1回の掲載で約100万円〜。(通年)
- 合同説明会、イベント参加料→1回約40万円〜100万円。
- 個別説明会の会場→約50万円〜。
- 人材紹介の採用成功報酬→1人採用につき約80万円〜
上記からもわかるように新卒採用にかかるコストの大半は広告費用です。
つまり「学生に自社の募集を知ってもらうため」の費用です。
しかし労働力減少によって、売り手市場が続いている日本では、非常に多くの企業が様々な求人広告を打ち出すため、就活生は自然、選択肢が多くなり、1社当たりの求人広告の費用対効果は下がります。
企業は少しでも学生に自社の求人を見てもらうため、複数のナビ媒体に掲載したり、掲載スペースや表示順位で有利にしようと高額プランを申し込んだりするので、採用難が続くほど広告費用はかさみます。
4 【就活生向け】新卒採用のこれから
コロナによる景気の押し下げにもかかわらず、積極的な採用に乗り出す企業は非常に多いです。また、これからも労働人口の減少によってますます就活生の売り手市場は拡大していくと予測できます。
そして、新卒の就活生は、無数の企業の中から自分にフィットした企業を選ばなければなりません。これはとても難しいことです。自分のことを強く求めている企業があったとしても、その裏側には「採用コストをかけてしまったから」という本音が隠れている場合もよくあります。
したがって、新卒の皆さんは複数の選択肢からメリットとデメリットを比較して、どの企業が一番合っているか熟考しましょう。
就活生が当たり前のように享受している採用サービスの裏側には、企業が莫大なお金を就活サイトの運営会社に支払っているという現実があります。
就活サイトの掲載面や企業の採用担当者の話だけで会社を判断せず、OB訪問や競合分析といった自分の足で情報を取りに行くことが大事でしょう。